直観ひとりごと(134)「天皇の料理番」の小林薫のいぶし銀の演技に感動!
この(134)「直観ひとりごと」のブログは、カウンセリング歴30余年の大阪の「5時間で1回きり」の「潜在意識の本質と使命とトラウマ」を探る心理カウンセラー&本質セラピスト三宅麗子の投稿頁です。
★直観ひとりごと(134)
◆「天皇の料理番」の小林薫のいぶし銀の演技に感動! 彼の静の演技がひときわ光る…。
4月発の期待された人気タレントや俳優のドラマを押しのけ、一番人気の『天皇の料理番』。
その人気の秘密とは…。
TBSテレビ60周年特別企画 日曜劇場 天皇の料理番』が評判です。
キムタクや堺雅人の期待されたドラマ以上に、視聴者の心を沸かせます。
「仁」といい、「半沢直樹」といい、「天皇の料理番」といい、TBSがドラマづくりに本気で取り組めば、凄いドラマを世に送りだすのですね~。
これらのヒットの理由の一番は、どのドラマも、役者一本で勝負する人を主役に据えているという点です。
主人公たちが、片手間で演じている人たちではないということが見る者に感動を与えるのでしょうか?
あるいは、女性モノが流行れば、最初に「女性の主役」ありきで、企画するどこかのテレビ局とは大違い!
「金に糸目をつけない親方日の丸」でない民放だから、スタッフ全員の必死さも窺える。
昔、民放の藤田まことの「必殺シリーズ」は、お金がないゆえの、苦肉の策が功を奏して、ヒットに繋がったそうですよ。
やっぱり、最後にモノを言うのは、お金や人気ではなく、頭でしょうか?
客におもねる「トコロ」が違うのですね。作品の中身そのものに拘る姿勢というか…。
まず始めにタレントありきの安易なドラマつくりは、見る人をバカにしているとしか思えない。
まるで、小学生の学芸会のようで、ホント、見るに堪えないのです。
国民の「一億総白痴化」戦略は、戦後70年、もうそろそろやめにしてはいかがでしょうか?
国民もだんだんとそれに気づきだしてきたのでしょうね。
この「天皇の料理番」は、NHKの大河ドラマに比べて、ドラマのあるべき姿を見せられたような気がいたします。
金にあかせてのモノづくりでもなく、人気アイドルや俳優に頼るモノづくりでもないところに、
ドラマとしての見応えを感じます。
毎回、次の週が待ち遠しくなるような終わり方で視聴者をひっぱるそのモノつくりの姿勢。
主演の佐藤健が、今までの役とは違うことも、新鮮さを増しています。
彼の刈り上げの坊主姿が、彼のこのドラマに秘めた思いがヒシヒシと感じられ、今回のヒットの一因でもあるようです。
また、兄やん周太郎役の鈴木亮平が、20kgの減量に取り組む姿勢も、見る者の心に迫ってまいります。
でも、私は今回、一番、演技が「凄い!」とうならせられた俳優は、「小林薫」です。
彼の役は、華族会館の料理長・宇佐美鎌市で、主人公の恩師となる人物です。
セリフもあまりなく、出番もそれほど多くはないながら、
その存在感は、ズシンと胸に響きます。
動的な脇役者は多くいますが、静的な名脇役の存在は余り見当たりません。
主役では、高倉健がその代表格で「男は黙って…」というイメージです。
そんな「男は黙って…」の雰囲気を醸し出しているのが、今回の名脇役者の小林薫の演技でした。
昔の良き日本人を彼に見た思いがいたします。
俳優「小林薫」という名前は、一時期、死刑囚の「小林薫」という人間の代名詞のように扱われ、
きっと、小林薫自身は、精神的にもこの名前を呪ったこともあったでしょう。
でも、彼は黙して語らず、黙々と長い時間を費やしたのです。
その苦悩は、今現在の彼の演技となって、私たちの心に染み込んでまいります。
これからも、このいぶし銀の演技で、私たちを魅了して頂きたいと存じます。
でも、またそれを意識して、そのように演じようとすれば、
そこに不純な心が宿りますので、そういうことを超越して、
ただただ、無心で、与えられる役を演じ切って頂きたいと切に願います。
「動」的な小賢しい俳優やタレントが多い中、彼の「静」の演技は、
私たち、日本人の生き方にも通じるモノで、
それが言霊の和わう国、日本に生きる人間の目指すべき「生き方」なのでしょうね。
イケメンやアイドルから、もう少し「心」のある役者のファンになりましょう。
またそういう存在感ある名脇役者が、生きよい芸能界でありますように…。
結局、最後はそういう人が日本人の根底に流れる「精神」を呼びさますのです。
今後の、「名脇役者」小林薫のいぶし銀の演技の活躍に期待しております。