「カウンセリング」の心理学関連用語集(カ行)
この「カウンセリング」の心理学関連用語集(カ行)の頁は、大阪の「潜在意識の本質と使命の心理カウンセリング」のサイトです。
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1、心理学関連用語集(カ行)。
ここでは「か(カ)~こ(コ)」の用語を集めています。
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カウンセリング歴30余年の新大阪の心理本質カウンセラー&本質セラピスト&メンタルコーチ三宅麗子が誠心誠意セッションさせて頂いております。
★心理学関連用語集(カ行)「潜在意識の本質と使命の心理カウンセリング」
●回帰
一周してもとへ帰ること。めぐりかえること。くりかえすこと。【広辞苑より】
●解決志向アプローチ(ソリューション・フォーカスト・アプローチ/SFA)
ソリューション・フォーカスト・アプローチとは、 BFTCで研究され、スティーブ・ド・シェイザー、インスー・キム・バーグを中心に開発された心理療法。ソリューション・フォーカスト・ブリーフ・セラピーとも言う。解決志向アプローチなどと訳されている。短期療法のひとつ【ウィキペディアより】
●外傷後ストレス障害(PTSD)
(post traumatic stress disorders)自然災害や戦争、交通事故、誘拐、監禁、性的虐待などで被害を受けたり、身近な人の死をまのあたりにするといった体験をすると、人間は耐えがたい強烈なショックを受ける。これを心的外傷(トラウマ)といい、それによるストレスが心身に引き起こす障害を心的外傷後ストレス障害、または外傷後ストレス障害という。英語でpost traumatic stress disordersということから、頭文字をとってPTSDともいう。米国でベトナム戦争から帰還した兵士に、戦争体験の後遺症と思われる精神障害がみられ、調査・研究した結果、1980年にアメリカ精神医学会の診断マニュアルにこの病名が載るようになった。日本では1995年の阪神・淡路大震災と地下鉄サリン事件(オウム真理教事件)、1996年末~1997年のペルー日本大使公邸人質事件などで知られるようになった。1996年の0-157による集団中毒、1998年の和歌山・毒物カレー事件でもみられた。2011年3月の東日本大震災と福島第一原発の大事故は、大津波と地震による壊滅的破壊、大量の放射能汚染、長い避難所生活等々。かつてない規模と質の大災害となったため、被災者に与えたショックと心的外傷の程度は測りがたいものとなっており、ケア体制の整備が国と地方自治体の急務となっている。診断の条件は、①自ら生死に関わる事件に遭遇したり、他人の瀕死状態や死を伴う意体験―のいずれかのトラウマ体験を持ったことがある場合、となっている。症状はトラウマ体験を繰り返し思い出し、あたかもその事件がいま起きているかのようにふるまう。また。その記憶から逃れようとするあまり、物事に対する意欲や興味、集中力が著しく減退する、情緒不安定、イライラしやすい、落ち着きがない、びくびくしている、よく眠れない、といった症状の患者も多い。【百科事典マイペディアより】
●「PTSD【日本百科全書(ニッポニカ)より】」へ→
●回想
recollection 心理学用語。過去の出来事を思い出すこと。広義の再生に含まれるが、特に①再生の対象が自己に密接に関係し、再生に際して過去の生活体験を伴う、②再生の内容が環境のコンテクストのなかで現れる、③現実に再生のきっかけが少ない、などの特徴をもつ。【ブリタニカ国際大百科事典より】
●回想法
米国の精神科医ロバート・バトラーが1963年に提唱した心理療烹高齢者が回想に浸ることを老年期の自然な心理的過程とし、生きがいや自分を取り戻すことにつながると考えた。子どもの頃の遊び、音楽、暮らしなどのテーマに即した生活道具を活用し、1対1やグループで五感に刺激を与えながら進められることが多い。【朝日新聞掲載「キーワード」より】
●カウンセラー
counselor 来談者(クライエントclientクライアントとよぶ場合もある)との面接や面談んぢを通して、その内面への治療的therapeutic、予防的preventive、および、進展的developmentalな援助・支援を行う心理臨床的な専門家をさす。カウンセラーは、クライエントの生き方を左右するほどの影響を及ぼす存在になる場合もあるので、それにふさわしい心理臨床て来な訓練や体験を重ね、技法的にも人間的にも豊かな専門家となるよう望まれる。カウンセラーと称されるとき、それが職名としてよばれる場合もあるし、また、身分として随意に名のることもできる状況にあり、今日なお、あいまいさや不明確な部分が残されている。カウンセラーを含む心理臨床的な専門家の養成制度は、1990年(平成2)前後以降、急速に整えられてきている。これは、日本臨床心理士資格認定協会によって「臨床心理士」の認定制度が創設(1988)され、その資格を取得するための諸条件が整備されてきたことが大きな促進陽陰となったと考えられる。この資格認定では、大学院修士課程修了を資格取得要件とし、その課程のなかでカウンセラーなどに求められる専門的カリキュラムなどが明示され、心理臨床的専門家養成の骨格が整えられた。カウンセラーに関する資格は、今日、「臨床心理士」以外にも日本カウンセリング学会による「認定カウンセラー」、学校心理士認定運営機構による「学校心理士」、日本産業カウンセラー協会による「産業カウンセラー」などがあるが、うじれもそれぞれの機関・団体などによる認定資格であって、カウンセラーに関する方て来な裏づけはまだ確立されていない。そのなかで、公的性格をもっとも強く有すると考えられるのが「スクールカウンセラー」であろう。それは、国家的予算措置を背景に文部科学省の施策の一つとしてなされているからであるが、これには「臨床心理士」を中心にしながら、その他の資格保有者(「学校心理士」有資格者など)の心理関係専門家や教育経験者(退職した校長、教員など)がその職務担当者として委属されている、1995年度から2000年度(平成12)までは、文部省(現、文部科学省)の活用調査研究事業としてなされていたが、2001年度からは恒常的制度化に向けて五か年計画が策定され、全公立中学校へ「スクールカウンセラー」を配置する措置が講じられて、今日では小学校や高等学校への配置もなされている。カウンセラーとよばれる心理臨床的な専門家は、この「スクールカウンセラー」以外にも、厚生・福祉・医療・看護・産業・経営、矯正・司法・防衛(自衛隊)などの分野でも活用されるようになり、他者への心理的な援助・支援克つ度王が幅広く進められてきている。また、近年カウンセラーの活動や業務などに対する関心も一般に広く浸透してきている。[増田實](略)【日本大百科全書(ニッポニカ)より】
●カウンセリング
心理相談のこと。健常なクライアント(来談者)がいだく心配、悩み、苦情などを、面接、手紙、日記などを通じて本人自身がそれを解決することを援助する方法。精神医学では、しばしば精神療法と同義に用いられる。積極的に忠告や説得を与える指示的かうんせりんぐと、それを与えない非指示的カウンセリングとがある。後者はC.R.ロジャーズが1942年に提唱したもので、クライアント中心に話合いを進め、クライアントの発言に対する一切の評価判断を差し控え、カウンセラーとの間に受容的、許容的な雰囲気をつくり、クライアントが自己洞察を深め、人格的に成長することにより精神的問題を克服していくのを援助する。アメリカでは、専門のカウンセラーの資格が規定されている。教育場面では、学校における児童生徒の基本的な活動単位である学級を、教育的な目的に即して組織化し、教育活動を充実させていく教師や専任のカウンセラーの仕事をいう。教師にとっては、法規の適用、諸事務の処理による学級管理とは異なり、主体的な意志に支えられた教育活動であるとされる。【ブリタニカ国際大百科事典より】
●過換気症候群(過呼吸症候群)
心因以外にとくに原因となる器質的疾患がなく、発作的に呼吸困難、過呼吸状態を生じ、それに伴い多彩かつ一見重篤そうな臨床症状を示す疾患で、過呼吸症候群ともいう。心身症的色彩が強く、ときに呼吸器、循環器疾患を合併して発症することもある。発作は、激しい運動、疲労、疼痛、不安、興奮、緊張など、心身のストレスによる誘発される。一般に若年者に多く、女性は男性の約2倍で、とくに25歳以下の精神の不安定な女性に多くみられる。発作は自覚的な息苦しさに始まり、呼吸が深くなって数も増し(過換気)、これが精神的不安を助長し、それがさらに過換気を増大させるといった悪循環を形成し、悪化する。過換気によって血液中の炭酸ガスが過剰に吐き出され、動脈血炭酸ガス分圧の低下と水素イオン濃度(pH)の上昇、すなわち呼吸性アルカローシスをきたす。その結果、イオン化カルシウムの低下を生じて、神経、筋の興奮性を増し、また脳血管を収縮させて血流を減少させる。一方、不安は交感神経を興奮させ、それによる症状(換気および心機能の亢進など)も現れることになる。発作時には著しい過呼吸状態(数も深さも増す)を示すとともに、呼吸困難、動悸、胸内苦悶感、胸痛、頭痛、発汗、手足ならびに顔・口唇周囲のしびれ感、四肢のテタニー様けいれん、めまい、意識障害などをきたし、重症例では失神を生ずることもある。発作の持続時間は30~60分のことが多い。診断は、発作の誘因、患者の強い不安状態、呼吸の状態や訴えのわりには理学的所見や心電図などの所見に乏しいこと、多彩な臨床症状などに加えて、動脈血液ガス測定が可能であれば、動脈血炭酸ガスアルカローシスを証明することにより確定できる。紙袋再呼吸法(後述)または5%炭酸ガス吸入による症状の改善も診断に役だつ。また非発作時には、意識的に過呼吸を行わせて発作を誘発させることもできる。発作時には、息こらえをするか、数リットル程度の大きさの紙袋(ビニール袋でもよい)で口と鼻を覆って呼吸させると、呼気中の炭酸ガスをふたたび吸入することになるので、動脈血炭酸ガス分圧が正常化し、発作は消失する。この紙袋再呼吸法を患者に体得させることがたいせつである。発症機序を理解させ、特別の器質的疾患によるものでなく、危険性のないことを説明して不安感を取り除くこともたいせつだる。発作を繰り返す場合には、精神安定剤の投与や、心理療法を中心とした心身医学的治療などが行われる。[高橋昭三](略)【日本大百科全書(ニッポニカ)より】
●学習障害
基本的には、全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、書く、計算す又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。学習障害は、その原因と死て、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではない。(略)【日本大百科全書(ニッポニカ)より】
●学習障害児
知的発達の全般的な遅れによらない、学習上の特異なつまずきやすさや習得困難をもつ子供に対して用いられる概念。学習障害learning disabilitiesの頭文字をとって、LD児ともよばれる。知的能力と学力水準との乖離からとらえる相対的学業不振と類似する部分もあるが、その背景に中枢神経系の機能障害、つまりは認知障害を想定した発達障害ととらえる点で異なる。(略)【日本大百科全書(ニッポニカ)より】
●学習性無力感
努力を重ねても望む結果が得られない経験・状況が続いた結果、何をしても無意味だと思うようになり、不快な状態を脱する努力を行わなくなること。米国の心理学者マーティン=セリグマンが1967年に発表した心理学理論。【デジタル大辞泉より】
●過呼吸
呼吸運動の深さと回数が異常に増加した状態をいう。正常者でも、精神緊張、不安、恐怖などの情動によって過呼吸が起こりがちである。南北戦争のとき、参戦した兵士に頻発した、器質的病変を伴わない過呼吸症状は、発見者の名にちなんでダ・コスタ症状群と呼ばれたが、これは心臓神経症であって、最近ではこの種の症状を訴えるものは過呼吸症候群または過換気症候群と呼ばれている。不安をもとにした心因性の反応と死て起こるもので、呼吸をしすぎるため血中の炭酸ガス(二酸化炭素)が少なくなり過ぎた結果表れる症状である。したがってビニール袋などを口に当てて呼吸させると、炭酸ガスが供給されるため呼吸数が減って楽になる。呼吸性アルカロージスによる筋肉のけいれん、興奮、頭痛などの症状が二次的にでてくることもある。【ブリタニカ国際大百科事典より】
●過呼吸症候群(過換気症候群)
●過去世
●過去世回帰セラピー
催眠療法では過去世(過去生)に退行することを過去生回帰ともいう。セラピー的なものを前世療法、イメージワーク的なものを過去世回帰とも位置づける場合もある。【『ヒプノセラピー―催眠療法』より】
●過食症(神経性過食症、神経性大食症、BN)
短時間で必要以上の食物を食べる。可食のあとに自分で嘔吐したり、下剤を使うことで、結果的に栄養不良になることも。過食症では、短時間の間に大量を食物を食べてしまいますが、これがたんなるやけ食いとは違うのは、背後に拒食症と同じく、「やせていないと自分は醜い」という思い込みがあることです。そのため過食のあと、うつ状態におちいったり、体重をもとに戻すために自分で嘔吐したり、下剤を必要以上に使ったりします。症状が重い時期には毎日、1日中、過食、嘔吐をくり返す状態になります。拒食症による栄養失調の状態が長くつづいたあとに、過食症になることもあります。過食だけでなく、お酒を飲みすぎたり、その他の薬物乱用が同時にみられるケースもあります。過食症の人の体重は、嘔吐や下剤乱用の程度によりさまざまですが、かなり低体重になった場合は、拒食症と同様の合併症への注意が必要でです。嘔吐や、下剤を大量に使っていつも下痢をおこしている場合は、胃液・腸液とともにカリウムが大量に失われ、低カリウム血症になります。心臓はカリウムの値に敏感で、不整脈などをおこしやすく、注意が必要です。慢性的に嘔吐していると、歯のエナメル質が失われたり、唾液腺炎になることもよくあります。【家庭医学大事典より抜粋】
●「BN【デジタル大辞泉より】【広辞苑より】」へ→
●「神経性大食症【明鏡国語辞典より】」へ→
●家族療法
問題となる個人とその家族全体を対象とする精神療法。通常、家族療法は、父親、母親、患者を対象とするが、状況によってはその日常生活に深くかかわり合う近親者や兄弟姉妹などを含めることもある。【ブリタニカ国際大百科事典より】
●家庭内暴力(DV、ドメスティック・バイオレンス)
家庭内における夫婦や親子など家庭間での暴力行為。中でも1978年の開成高校生殺人事件以降、子供の親や家族に対する暴力行為が青少年の非行問題として大きく社会問題化した。行為の発生が家庭内に限られるという事件の性質から、その実態の把握は難しい。警察庁の「保安部資料」によれば、青少年の家庭内暴力が社会的に騒がれた80年代前半の5年間でも、その年間平均発生件数は、1160件である。年間数万件は下らないといわれるアメリカと比べてきわめて少ない。しかし家庭内暴力を起こした子供の両親の養育態度を見ると、母緒は過保護、過干渉が、父親では崩人が最も多く、母子癒着と父親不在という現代の日本家族が一般的に抱え込んでいる問題が鋭い病理現象として顕在化したものと考えられる。その意味では、潜在的な発生可能性は広範に存在しているといえる。【ブリタニカ国際大百科事典より】
●「DV【百科事典マイペティアより】」へ→
●「ドメスティック・バイオレンス【デジタル大辞泉より】」へ→
●カナー自閉症
カナー…アメリカの精神科医。児童精神医学における最初の専門的教科書を著した。また、早期幼児自閉症の症状を初めて報告。自閉症…(1)乳幼児期に発症する精神障害の一。対人的孤立、言語発達の障害、対人関係・社会性の障害、常同症、執着的行動、知覚・感覚の異常が特徴。早期幼児自閉症。(2)「自閉」に同じ。【三省堂大辞林より】
●空の巣症候群
エンプティ・スネト・シンドロームempty nest syndromeとも。中高年の主婦たちが陥りやすい心身の不安定な状態。子供たちが進学や就職、結婚などで巣立ってゆき、夫は仕事が忙しく不在がちで、ひとり家庭に取り残された主婦が、空虚感や不安感、抑うつ感などにとらわれて心身の不調を訴える状態をいう。【百科事典マイペディアより】
●カルマ
業(ごう)→①行為。行動。身(身体)・口(言語)・維(心)の三つの行為(三業)。また、その行為が未来の苦楽の結果を導くはたらき。善悪の行為は因果の道理によって後に必ずその結果を生むというのが仏教およびインドの多くの宗教の節。②業の果報。【広辞苑より】
●勘
直観的に事柄を感知したり、判断したり、行動したする心の働きをさす。通常の視覚・聴覚・触覚などの五感を超えた能力とみられるときには第六感ともいわれるが、既知の感覚器官をまったく媒介しない超感覚extre sensory perceptionとは区別される。また、問題解決の場面で、自己の意志統制を超え、たまたま出現した着想としていうときには、外来語のインスピレーションinspirationと同義で、ひらめき、啓示などを意味する。この際には長い思考のあとに出現する働きをさすが、模索から解放された劇的な観同を自覚する。しかし、勘はかならずしも長期の経験を前提とするのではなく、勘がいい人、悪い人などといわれうように、生得的な古神さのある潜在的能力にも用いられる。勘は認知面についていわれるだけでなく、動作。作業の行動面についてもいわれる。日じょおういわれる運動神経がよいということにも通じ、巧みな運動、器用な動作を意味することもある。勘は学習過程、心的活動の遂行を促進するとしての積極的な働きをさすが、これに退路井つする消極的な働きをさすものとして、固着fixation、硬さrigidityなどの抑制作用があげられる。ある事態で効果をもった機能が固定化し、新しい事態(問題場面)に適切に効果をもつ機能を妨害するのが固着であり、また、つねに一つの態度に固執し、融通な態度をとりえないのは性格の硬さともいわれる。[小川隆]【ブリタニカ国際大百科事典より】
●感受性訓練
心理学用語。人間関係の集団的訓練法の一つ。K.レビンのグループ・ダイナミックスに端を発し、その後門下生のR.リピットらにより種々の方向に展開。心理、居王井Ⅸ、経営、宗教活動などの分野で利用されるようになった。エンカウンターグループencounter gyoupとかTグループtraining groupといわれる10人あまりのメンバーがら成る合宿訓練において自主的な自由討議を行い、それを通して自己や他人に対する理解力、集団形成過程への洞察を高めて社会的な感受性と行動の柔軟性などを体得し、体験を通して学習を行う。そこでは知識や技術の習得よりも情緒的な過程の理解が重視される。【ブリタニカ国際大百科事典より】
●感情
われわれは、その日常生活においてさまざまな場面に直面して心の動揺を感じたり、その動揺がその後の時間的経過にしたがって変容したりしていくことを体験する。このような心の卯祇キを感情という。心理学ではしばしば「多義の虚偽」とよばれるミスを犯している。すなわち、ある語がさまざまな意味をもち、その意味によって思考のルートにミスをおこすことをいう。「血液型人間学」を樹立した能見正比古(のみまさひこ)(1925-81)はその著述においてしばしば「心理学の限界」について触れている。能見は「心理学」はその多義性のために心理学者ごとに別々の心理学が存在すると批判している。ここで取り上げる「感情」ということばも多義的な概念の一つである。人間は「感情の動物」であるといわれている。感情は人間生活にとって非常に重要な意義をもち、それを欠いた生活は無味乾燥なものである。しかし、その概念の多義性によって心理学に関する文献もしばしば困惑に陥っている。ここでは心理学における代表的、平均的な解説を試みようと思う。一般的に、感情と呼ばれている心的現象のなかには、感覚感情、情動(情緒)、情操、気分などが含まれる。[大村政男](略)【日本大百科全書(二っポニカ)より】
●感情移入
このことばは、ドイツの美学者であり、かつ心理学者であったリップスが用いたアインフュールングEinfuhlungというドイツ語の翻訳語である。英語ではエンパシーempathyという語をあてる場合と、シンパシーsympathyをあてる場合とがある。有斐閣の『心理学辞典』(1999年)ではempathyは共感性、sympathyは感情移入となっている。定評のある今田恵(1894―1970)の『心理学史』(岩波書店、1962年)では、Einfuhlungにempathyをあてている。『文部省 学術用語集 心理学編』(日本学術振興会、m1986年)ではempathyを共感とし、sympathyには①同情と②共感をあてている。心理学における「多義の虚偽」がよく表れていると思う。(略)リップスのいう感情移入とは、自然界や他の人々に自分のもっている感情(広義の感情で情動や気分なども含む)を知らず知らずのうちに移し入れて、自然界や他の人々があたかもその感情をもっているかのように感じ取ることである。五線譜の上に並んだ音符のそれぞれは感情をもっていないが、それが楽器によって奏でられると聴く人のもっている感情によってさまざまな意味をもってくる。小鳥乃さえずりが喜びに満ちたものとして聞こえたり、お寺の鐘の音が寂しく聞こえたりすることがある。これが感情移入にほかならない。これに対して共感というのは、人と人との間の感情の移入や伝達であって、人間以外の動植物や無生物などとの関係は含まれていない。カウンセリングの際、この共感の働きは欠くことはできないものである。共感性をもっていないような人はカウンセラーの資格はない。カウンセリングと類似した活動に心理療法(サイコセラピー)があるが、ここでももちろん共感の働きは必要で欠くことができない。カウンセリングを受けにきた人(クライエント、カウンセリー)カウンセラー、それから心理療法を受けにきた人(クライエント)と治療者(セラピスト)の二者が、おたがいの心と心の間にベルトをかけて共感しあうのである。[大村政男](略)【日本大百科全書(二っポニカ)より】
●感情障害(気分障害)
●気
中国哲学の用語。気という語は、殷周の甲骨文、金文の資料や『詩経』『書経』にはみられないが、『論語』をはじめ戦国時代以後の各学派の文献に多く現れる。元来中国人は、人の気息、風(大気)や霧、雲の類、湯気などを気として認識した。そして①気は空気状のもので、天地の間に遍満して流動変化するとともに、人の身体の中にも道ていると考えた。②気は天地万物を形成し、かつ気が生命力、活動力の根源であって、人の身体的、精神的諸機能もすべて気から生ずると考えた。③陰なる気と陽なる気、あるいは五行(木火土金水)の気という2種類または5種類の気を考え、この多様な気の配合、循環などによって事物の異同や生成、変化を説明した。④これらの多様な気の本となる根源の一気を考えてそれを元気と称し、元気による万物の生成を説いた。気の思想は、だいたい上記①~④の順序を追って重層的に展開し、前漢のなかばごろまでに気の概念はほぼ定着して清末まで基本的な変化はなかった。かくて漢代以後、種々の系列の思想において気による生成論がと彼、宋代以降の新儒学(性理学)においては、気は物質の根源を表す語としてその理気哲学の体系中に組み込まれ、きわめて重要な役割を果たした。なお気は狭義の鉄額用語としてだけではなく、天文、気象、医学、芸術、兵法、政治等々多くの分野の理論のなかで、古来重要な用語として用いられた。[山井湧](略)【日本大百科全書(ニッポニカ)より】
●記憶障害
頭部外傷や器質的障害、異常体験などにより記憶メカニズムに障害が発生すること。記憶は、記銘、保持、再生という流れの沿って成立する。集中領不足や注意力散漫、意識障害によって記銘障害が起るが、老人性記憶障害はこの記銘障害に入る。保持障害は、頭部外傷や脳器質の障害、激しい感情体験などの心因性によって起る。再生障害は、精神的緊張が強すぎる場合などに起る。また、ある衝撃を受けて一定の期間、あるいは一定の事実を忘れることを健忘といい、衝撃を受けてから意識が回復するまでの記憶がなくなることを前向健忘という。また、実際の体験と異なったものを想起する記憶錯誤、自分が何者なのかすら忘れてしまうような全生活史健忘もある。【ブリタニカ国際大百科事典より】
●気学
気学は「気」の作用に易の哲理を取り入れた「方位と地相を含む家相」及び九星学から成っており、大正13年に創始者である園田真次郎氏(地角・明治9年~昭和36年)によって気学と命名、大正館気学会を開設されました。これをとらえて「まだ百年にも満たない新参の占い」と揶揄する人もいます。その基を中国4000年とは言いませんが、中国の春秋戦国時代に盛んになった五行説と陰陽説が、後漢の時代になって合体して完成したとされる陰陽五行説ですから、少なく見積もっても二千数百年の歴史があることは事実です。【気学の部屋より】
●気功
中国古来の健康法。「気功7」という言葉は晋代の文献に既に見られるが、従来は「導引」「吐納」「行気」などと称されることが多かった。1950年代、中国の劉貴珍(1920~83年)が気療養院を設立し、専門書を著したことなどから、「気功」という名称が広まり定着した。「気」の解釈には各種あるが、人間の呼吸する空気の気であり、また人体の生命活動エネルギー(内気)でもある。この内気を重視し、その力を高めてそれを利用するのが気功の特徴といえる。中国古典の『老子』『荘子』などに気功に関する記述がある。数多くの分派があるが、道家、儒家、仏家の3系統に大別できる。また、目的によって分けると、格闘技の鍛錬法としての「硬気功(武術気功)」と、病気の治療や健康維持のための「軟気功(医療気功、保険気功)となる。現在、気功には次の3要素があると認められている。①全身をリラックスし、ある特定の姿勢を保持する。②気の鍛錬――呼吸の鍛錬と内気の鍛錬。③身体のある部位に精神を集中し、いわゆる無念無想状態を誘発する。【ブリタニカ国際大百科事典より】
●気質
感情的な傾向や反応に関係している人格(パーソナリティー)の一つとして側面をさす心理学、精神医学用語。一般的には人格の遺伝的、生物学的基盤をいい、特に生化学的変化や新陳代謝に関係している側面をさす。人格の意志的側面を性格といい、感情的側面を気質というように区別して用いられることもある。2世紀頃、ギリシアの医師ガレノスは体内に4種の体液が存在するというヒポクラテスの体液説に基づいて、器質を胆汁質、憂鬱質、多血質、粘液質の4種に分類した。この気質説はほとんど実証的根拠をもたないが、近代の内分泌学に裳とぢた気質の研究に受け継がれているといわれる。気質の類型に関する実証的研究の代表としては、エルンスト・クレッチマーのものがある。その研究の特徴は、人間の体型と精神病の種類および気質との関係に着目した点である。それによれば、統合失調症の患者には体型として細長型が多く、躁うつ病(循環病)患者には肥満型が多い。一方、健常者の気質にも分裂性気質と躁うつ性気質(循環気質)の二つの典型があるといわれ、この場合にも、前者には細長型が多く、後者には肥満型が多いといわれる。【ブリタニカ国際大百科事典より】
●気づき
●気分
①きもち。心もち。恒常的ではないが比較的弱く或る期間持続する感情の状態。爽快・憂鬱など。心理学では、恒常的でない点で気質と区別する。【広辞苑より】
●気分障害(感情障害)
世界保健機関(WHO)は1991年5月、国際疾病分類10版(ICD-10)でこれまで躁鬱病と呼ばれていた病名を気分障害と改めた。気分障害には双極性と単極性があり、双極性は躁病と鬱病が来卯五に現れるもので、単極性は相対的な無症状期と鬱病を繰返す。ただし、この区別は厳密ではなく、鬱廟患者の5人に1人は軽躁病や躁病も起こす。【百科事典マイペディアより】
(躁うつ病)―うつ状態や躁状態をくり返す病気。◇感情の極端な変動が現れる。《どんな病気か》気分障害は感情(気分)の病気で、感情や意欲の面で、極端な上昇や落ち込みが現れるもので、気分がひどく落ち込み、何事もおっくうになる状態をうつ(抑うつ)状態という。極端に気分が高まり、活動的になりすぎる状態を躁状態と呼ぶ。もちろん、誰でも悲しいことがあったときは落ち込むが、正常な憂鬱ななば、楽しいことがあれば気分転換できるし、好きなことならしようという気になる。しかし、うつ状態では、普段から楽しく感じられることも楽しめないし、やる気にもならない。うつ状態は、健康な人が感じる正常な憂うつとはちがって、ただ気分が沈むだけでなく、ほかに自分を責めたり、おっくさもあって、病的なもの。ノイローゼも、くよくよ思い悩むが、ノイローゼはうつ状態とちがって、くよくよ悩むだけで、極端にやる気がなくなったり、頭がはたらななくなったりはしない。このようなうつ状態や躁状態をくり返す病気を、気分障害と呼ぶ。以前は躁うつ病といわれていたが、新しい国際的な診断基準では、躁うつ病ということばは使われなくなり、かわって気分障害(感情障害ともいう)と呼ばれるようになっている。感情の極端な上昇や落ち込みのある期間を病相といい、うつ状態の時期をうつ病相、躁状態を時期を躁病相と呼んでいる気分障害の特徴で、たいせつなことは、うつ病相や躁病相が終わると、まったく健康なもとの精神状態に戻る。●種類 気分象符がいのほとんどは、うつ病相のみをくり返すタイプと、躁病相とうつ病相の両方を交互にくり返すタイプの2つに分けられる。前者のうつ病相のみをくり返すタイプを大うつ病という。大うつ病とは耳慣れないことばだが、以前は単極性うつ病、あるいはうつ病と呼ばれていたものを、最近の分類では大うつ病というようになった。そして躁病相とうつ病相の両方があるタイプを双極性障害(以前は躁うつ病、双極性うつ病とも呼んでいた)という。躁病相だけをくり返すことはまれで、この場合は双極性障害に含まれる。つまり気分障害のなかには、大うつ病と双極性障害(躁うつ病)があるいことになる。気分障害の約75%は大うつ病で、約25%が双極性障害。日照時間が短くなる秋や冬に限って、うつ状態になるタイプがあり、それは季節性感情障害と呼ばれている。季節性感情障害の治療として、高照度の光を浴びる光療法が行われている。そのほかに、慢性的な軽いうつ病を気分変調症と呼び、これは大うつ病よりうつ状態が軽いもので、以前は抑うつ神経症(神経症的な性格があり、葛藤を引き起こすようなきっかけがあって現れるうつ状態)と呼ばれていたものにほぼあたる。憂うつ、不活発、何をしても楽しくないなどのうつの症状があるが、典型的な大うつ病と異なり、朝早く目覚めることや日内変動(午前中は調子が悪く、午後から夕方にかけて調子がよくなること)は目立たない。気分変調症のうつは軽く、日常生活は困難ながらできるが、慢性的にうつ状態が続く。(略)【家庭医学大事典より要約】
●技法
(専門)技術,ノウハウ,《特に 芸術・スポーツなどの》技法,技能,手法,技巧,テクニック,技術的側面;《目的達成のための》手段,(うまい)手,手腕,《恋愛の》手管(てくだ)。【リーダーズ英和辞典より】
●急性ストレス反応
強い精神的ショックを受けると、人は感情が麻痺して、何が起こったがわからなくなるという混乱状態を示すことがある。症状としては、不眠、発汗、不安、落ち込み、イライラなどが見られる。【[精神医学の基礎知識]キャリカレより】
●共依存
依存症の一。特定の人間関係に依存した状態。自己の存在意義を認めてもらおおうとして過剰な献身をくり返すなどの行為がみられる。DV(ドメスティックバイオレンス)を受けた女性が、「自分が至らないらために起こった」と考えて暴力に耐え、人間関係を解消できないなどの例がある。【デジタル大辞泉より】
●境界性パーソナリティー障害(BPD)
(BPD borderline personality disorder)パーソナリティー障害の一。神経症と精神疾患の境界にあるとみられる病態。ふだんは円満な性格の人我ちょっとしたことをきっかけに、残忍・陰湿・執拗な性格に豹変し、人格が変わったように見える。自傷行為を伴う場合もある。境界性人格障害。ボーダーライン人格障害。自己愛性人悪障害。【デジタル大辞泉より】
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●境界例
もともとは〈精神病と神経症の境界上の病態〉という意味で、ボーダーラインともいうが、最近では人格障害として位置づけられる傾向にある。ふだんの行動は普通であっても心は不安定で、正常と異常の間で揺れ動き、感情や行動をコントロールできない、安定した豊かな人間関係を築けない、社会における生き方が定まらない、他人を巻き込み、周囲を振り回すなどの特徴がある。米国では1980年代からこのような若者が急増し、最近は日本でも増加傾向にある。境界例には人格障害に含まれる分裂病型人格者(統合失調症(精神分裂病)を思わせる思考、知覚、意思、行動を示すが、その奇異さは統合失調症の診断基準を満たすほど重篤ではないもの)、境界性人格者などがある。ただし、明確な精神障害かどうかは、専門家の間でも意見が分かれており、鬱病や統合失調症と診断されるケースも少なくない【百科事典マイペディアより】
●共感
empathy 他人が喜ぶのをみるとともに喜び、他人が悲しむのをみるとともに悲しむというように、他人と同じ感情をもつことをいう。この場合、ある日登(他人)がまずある感情を体験しているということが前提条件で、その感情の表出を観察者(自分)がみて、自分も同じような感情を体験することをいう。他人がどのような感情を抱いているかを観察しないで、たぶんあの人は悲しんでいるのであろうと自分あってに推測して、悲しんでみせるというのは共感とはいえない。また、他人が悲しみの情動を体験しているのを確かに理解できても、自分が悲しくなれないというのも共感ではない。ある人とともに悲しむためには、自分もその人と同じような悲しい多権をしていることが櫃世🈮ともいえる。親を失った人の悲しみは、自分も親を失って悲しい体験をしたという人によって初めて共感できるというように、ある感情への共感は、その感情についての先行体験が必要条件ということができる。カウンセリングや心理療法などで、カウンセラーは来談者を共感的に理解しなければならないとされているが、今日かンはこのような専門領域における対人関係だけでなく、一般の日常生活においても、人間関係を円滑にしていくために必要なことである。なお、同じ英語のempathyの訳として感情移入ということばがある。共感は人と人との間に限定されるのに対して、感情移入は人と物との間に存在することもあるとか、共感はまず他人の感情体験が前提であるのに対して、感情移入はまず自分の現在における感情体験が前提になっているなど、両者を区別して定義づけようとしているものの、実際には混同して用いられることも多い。[花沢成一]【日本大百科全書(ニッポニカ)より】
●強迫観念
無意味と思われ、その不合理性を本人は意識しているが、自己の意志に無関係に絶えず頭に浮かび、除去しようとしても取り除けない状態をいう。多くは不安感を伴い、自覚的にも病的と感じられる。正常者にもみられるが、それが精神的活動を束縛し、日常生活を妨げる点に異常性がある。観念の内容によって、自分の行動に落ち度がなかったかどうか気になる疑惑癖、物事の疑問を解かないと気がすまない詮索癖、質問癖などがある。【ブリタニカ国際大百科事典より】
●強迫神経症(強迫性障害、OCD)
強迫症状を主症状とする神経症。不愉快な感情や非現実的想念が起り、その不合理性や非現実性は理解できるが、その理解に基づいて否定すればするほどさらに強く迫ってきて、どうにも処理できない状態に陥る。多くは不安感を伴い、自覚的にも病的にも感じられる。たとえば戸締りやガス栓などを何回も確かめないと気がすまない確認強迫などはよくみられるものである。こういう症状を強迫症状(あるいは強迫症候群)と呼び、健常者にもよくみられるが、それが精神的活動を束縛し、日常生活を妨げるようになった状態である10~20歳代に好発する。【ブリタニカ国際大百科事典より】
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●強迫性障害(強迫神経症、OCD)
強迫観念や強迫行為を主な症状とする精神疾患。意思に反して不快な考えが繰り返し頭に浮かび、また、不安を振り払うために同じ行動を栗返し、生活にも支障が生じる神経症。不安障害の一種。治療には薬物療法、カウンセリングなど。強迫神経症。強迫症。OCD(odsessive-compulsive disorder)。【デジタル大辞泉より】
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●恐怖症(不安障害、不安神経症)
なんらかの対象を不合理に恐れることを特徴とする神経症の一種で、フォビアphobiaともいう。恐怖の対象となるものには人間や動物などのほか、特定の物や状況、さらに自分自身の身体の一部などがある。たとえば、針やフォークなどのとがったものを見ると、それが目に刺さってしまうのではないか、知らぬまに他人を傷つけてしまうのではないか、という恐れが生ずる尖端恐怖、同じようにナイフや包丁などを恐れる刃物恐怖、細菌や排泄物などが知らぬまに手についてしまうのではないかと恐れる不潔恐怖、対人場面で顔がこわばったり緊張したりして人との接触を恐れる対人恐怖、とりわけ相手の視線を恐れたり自分の視線が気になったりする視線恐怖、自分の顔面が紅潮してしまうのを恐れる赤面恐怖、エレベーターなど狭い場所に入ると出られなくなってしまうのではないかと恐れる閉所恐怖、高いビルや梯子などを極端に恐れる高所恐怖、乗り物に乗っていて急に気分が悪くなったらどうしようと恐れて電車などに乗れない乗り物恐怖、ウマ、ヘビ、イヌ、クモなど特定の動物を極端に恐れる動物恐怖、悪性の病気にかかってしまったのではないかと恐れる疾病恐怖、客観的にはけっして異常とはいえない容貌なのにもかかわらず自分の顔が醜いと信じてしまう醜貌恐怖などである。これらの恐怖の対象となっているものは、実は自分自身の心のなかにあるなんらかの恐れが象徴化されたものであるといわれる。(略)[岩崎徹也]【日本大百科全書(ニッポニカ)より】
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●虚偽性障害(詐病)
Malingering/Factitious Disorder 《どんな病気か》一般に「仮病」ということばがあるが、仕事や試験、兵役を避ける、刑事訴追から逃れるといったように、明らかに何かの目的があって、意図的に病気の症状をつくり出すケースを医学的には詐病という。からだの病気だけでなく、精神の病気の真似をする人もいる。いっぽうで、自ら症状をゆくり出しては、病院で検査を受けたり、救急外来を受診することをくり返す人がいる。病気ではないのに急性の腹痛を訴えて手術を要求したり、入院後、点滴の中に汚物を混入して高熱を出したりする。このようなケースを虚偽性障害と呼ぶ、詐病のような明らかな目的はなく、ただ「病院の患者」になりたいために、このような行動が現れる。身体症状を長年にわたって産出しつづける場合は、ドイツの小説『ほらふき男爵(ミュンヒハウゼン男爵)の冒険』にちなんで、ミュンヒハウゼン症候群とも呼ばれる。子どもに不必要な薬を与えて、体調を悪くさせ、救急病院に連れて行くなど、子どもを病気にさせる親もいる。これは、小児虐待の亜型ともいえる。(略)【家庭医学大事典より】
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●虚言症
過去の事実・自己の境遇などを空想的に潤色・変形し、自ら虚言と現実とを混同する病的な精神・心理状態。自己顕示欲あるいはヒステリー的性格異常者に見られる。空想性虚言。【広辞苑より】
●虚言癖
●キーワード
①問題の解決のために重要な手がかりとなる語。②情報を検索するための見出し語。③物事の本質を表す主要語。【カタカナ語辞典より】
●クオリティ・オブ・ライフ(QOL)
生活の潤いや生きがい、あるいはアメニティamenity(人々に快適さを与える便益や環境)といったものにかかわる概念で、いわゆる国民総生産GNP思考とは対立するもの。J.K.ガルブレイスは「生活の質の改善こそ経済学の最高の目標となるべきである」としたが、こうした考え方はK.G.ミュルダールやE.J.ミシャンなどの反主流派経済学者によっても強く主張されていた。貨幣的に表示されるものではなく、福祉国民所得NNWあるいは純国福祉の指標として具体的に表されることが多い。【ブリタニカ国際大百科事典より】●「QOL【【ブリタニカ国際大百科事典より】】」へ→
●クライアント(クライエント)
client 一般的には専門家に相談に来る依頼者のこと。臨床心理学では、適応上の問題をもって、その解決のためにみずからカウンセラーを訪れる人のこと。来談者。カウンセリーcounseleeともいう。広告の分野では、広告会社が自社扱いの広告主を他と区別して用いるほか、媒体社でも得意先をさしても用いることがある。スポンサーと同義的に用いられることが多いが、クライアントのうちテレビ、ラジオの番組提供もあわせて行うものをスポンサーと呼ぶ。【ブリタニカ国際大百科事典より】
●クライエント(クライアント)
訴訟依頼人。顧客。自分が直面する問題をどのように解決してよいかわからず、専門の臨床真理化やカウンセラーに援助を求めてくる人。【[カウンセリング用語解説]関西カウンセリングセンターより】
●グラウンディング
地面に立つ、接地する、アースする、また基礎を教えこむなどを意味し、心身のバランスを整えるや、地に足つけてしっかりと現実を生きるや、肉体の中に意識をしっかりと入れ、何か問題が起こったときは周囲に意識を向けながら冷静に対応することができる状態をいう。【心理学用語】
●グループ・ダイナミックス
集団生活や集団活動において、その集団ならびに集団内メンバーの行動特性を規定している諸法則や諸要因を科学的に分析、研究する分野。特に社会心理学上で問題となっている概念で、場理論を基礎としつつ、産業や教育分野で広く実践的に応用されている。具体的には、集団内でのメンバーの動機づけ、コミュニケーション、対人関係、集団構造、リーダーシップ、集団規範、集団の雰囲気などや、これら相互間の関係の解明が目指されている。【ブリタニカ国際大百科事典より】
●クレッチマー
[1888~1964]ドイツの精神医学者。多くの精神障害者との面接経験から、体格と気質(性格)との走尾かン関係に注目し、肥満型は躁鬱病患者に、痩身型は分裂病患者に多いことなどを主張。著『体格と性格』「敏感関係妄想』『医学的心理学』など。【デジタル大辞泉より】
●啓示
revelation英語、revelationフランス語、Offenbarungドイツ語。人間の力では不可知の真理や神秘が、神などの超越者によって開示されること。啓示を意味する欧米語の源泉となっているギリシャ語「アポカリュプシス」apokalypsisが、隠されているものの覆いが取り除かれることを意味しているように、啓示とは、人間の目には隠されている神的な神秘が覆いを取り去られて示される宗教的なできごとを意味する用語である。このような啓示のできごとに基づく宗教を啓示宗教といい、人間の自然的本性に基づいて宗教的神秘ないし神を認識しうると主張する自然宗教、理性宗教と対比される。宗教学の帯諸王と死て取り上げられる実証的宗教、すなわち歴史的現象と死て対象化される宗教は啓示に基づく宗教であって、教祖、教典、教団組織などは、いずれも歴史的なできごととしての啓示を抜きししては考えられない。たとえばセム的唯一神は、イスラム教では預言者ムハンマド(マホメット)に啓示され『旧約聖書』ではモシュー(モーセ)に「アブラハム、イサク、ヤコブの神」として啓示され、さらには各時代の預言者を通して啓示される歴史の神である。キリスト教においては、さらに歴史的な存在であったイエス・キリストを通して神の啓示が与えられるだけでなく、イエス・キリストが神の啓示そのものである、という形で明瞭な啓示宗教が成立する。とくにイエス・キリストが神の啓示といわれる場合、それは単なる知識の伝達にとどまらず、罪によって破れた関係の和解を求める意志の伝達として、主体的応答を求める招きの性格をもち、啓示が信仰によって対応されるべきことが明らかにされている。[熊澤義宣]【日本大百科全書(ニッポニカ)より】
●芸術療法
精神障害者の治療に芸術的諸活動を利用する治療法。日本では絵画および造形活動が中心であるが、音楽、舞踊、演劇なども次第に取り入れられるようになり、絵画療法、音楽療法などとも呼ばれている。特に絵画療法には、19世紀以来続いている、絵画を通して患者の精神病理を探る表現病澱が苦としての流れと、それ以前から精神病院などの施設で行われてきたレクリエーションや作業療法の流れとがあり、近年ようやくこれらが統合されつつある。日本の芸術療法学会は1969年に設立された。【ブリタニカ国際大百科事典より】
●ゲシュタルト
《形態・姿などの意》知覚現象や認識克つ度を説明する概念で、部分の総和としてとらえられない合体構造に備わっている、特有の全体的構造をいう。形態。【デジタル大辞泉より】
●ゲシュタルト心理学
形態心理学ともいう。現代の知覚研究の基礎となった20世紀の心理学の一派。過去の理論の原子論的アプローチに対する反発として公式化されたもので、全体は部分より大きいことを強調し、いかなるものであれ、全体の属性は部分の個別的な分析から導き出すことはできないとする。ゲシュタルトという言葉は、物事がどのように「形づくられた」か、あるいは「配置された」かを意味するドイツ語で、正確に対応する訳語はない。通常「形」「姿」と訳され、心理学では「パターン」「形態」という語をあてることが多い。ゲシュタルト理論は、連合心理学と、経験をばらばらに要素に分解する構成心理学の断片的な分析手法に対する反発として、19世紀末にオーストリアと南ドイツで創始された。ゲシュタルト研究は代りに現象学的な手法を用いた。この手法は直接的な心理経験をありのままに描写するというもので、その歴史はゲーテまでさかのぼるといわれる。どのような描写が認められるかという制約はない。ゲシュタルト心理学は、一つには精神生活の科学的研究に対する味気ないアプローチと考えられたものに、人間主義的な側面を加えようとした。また、一般の真理学者が無視するか科学の範囲外とみなした、形と意味と価値の質を包含しようとしたものである。M.ウェルトハイマーは、1912年にゲシュタルト学派を確立したとされる論文を発表した。これはW.ケーラー、K.コフカとともにフランクフルトで行った実験的研究の関する報告で、この3人がその後数十年間にわたってゲシュタルト学派の中核となった。初期のゲシュタルト研究は、知覚の分野、特に錯視の現象によって明らかになった視覚の体系化に関心をもっていた。ゲシュタルトの法則の強力な基盤である知覚の錯覚がファイ現象で、12年にウェルトハイマーによって命名された仮現運動の錯覚である。ファイ現象とは錯視のことで、複数の静止対象がすばやく引続いて示されると、ばらばらなものと感じることのできる識閾をこえるので動いているように見える(この現象は映画を見ている際に体験され)。知覚的経験の感覚が物理的刺激と1対1の関係をもつとする古くからの仮設では、ファイ現象の交かは明らかに説明できない。知覚された運動は独立した刺激のなかに存在するのではなく、それらの刺激の関係的特徴に依存して現れる卦意見である。観察者の神経系の働きと知覚的経験は、物理的インプットを受動的にばらばらに記録するわけではなく、むしろ、分化した部分を伴う一つの全体的な場としての体制化された全体となる。この原理はのちの論文でプレグナンツの法則として述べられた。加えられた刺激の神経的、知覚的体制化によって、一般の条件が許すがきり、よいゲシュタルトが形成されるというものである。新しい公式化に関する主要な労作は、その後の数十年間に生まれた。ウェルトハイマー、ケーラー、コフカおよび彼らの弟子たちは、ゲシュタルトのアプローチを知覚の他の分野、課題解決、学習、思考などの問題に拡大した。その後ゲシュタルトの諸法則は、特にK.レビンによって動機づけや社会心理学、またパーソナリティに適用され、さらには美学や経済行動に裳導入された。ウェルトハイマーは、ゲシュタルトの概念が倫理学、政治行動、真理の本質に関する諸問題の解明に適用できることを指摘した。ゲシュタルト心理学の伝統は、R.アルンハイムらによってアメリカで行われている知覚の研究に受継がれている。【ブリタニカ国際大百科事典より】
●ゲシュタルト療法
フリッツ・パールズによって始められた統合的・実存主義的な心理療法。心身がともに関わる病気の多くは、知性と情動、心と体の解離やアンバランスが原因であり、また問題解決にあたっては自己の内部の力が十分に活用されていないと考える。ゲジュタルト療法では、自己覚知の欠如を重視し、気づきの練習などの体験を通し、心身のホメオスタシスの回復、人格の統合を目指すものである。実際には、たとえば部屋の中で特に気づいたものを言語化する過程において、心的葛藤が投影されていたことを患者に気づかせることや、絵画工作で自己像を表現することなどが行われる。さらに、対立の明確化と統合を目的として、2つのいすを往来する技法、夢に何が欠けているかを注目させる技法、言語表現と非言語行動のズレを修正する言動一致の技法などが行われている。【ブリタニカ国際大百科事典より】
●月経前緊張症(PMT)
(premenstrual tension)月経開始の10日ほど前から体重増加、浮腫、頭痛、神経過敏、全身違和感、下腹部膨満感などを訴え、月経開始とともに症状が消失する症候群をいう。主として黄体ホルモンの影響による水分の貯留が原因と考えられるが、詳細は不明である。利尿剤、トランキライザ、ホルモン剤などの投与が有効のことが多い。【ブリタニカ国際大百科事典より】
●月経前症候群(PMS)
月経前緊張症あるいは黄体期症候群ともいいい、いらいら、不眠ゆううつ、無気力、腹部腫脹、体重増加など症状は多彩で、月経の7~10日前におこることが多。水分貯留(浮腫)のほか、局所的には乳房痛、吐き気、嘔吐、下痢、便秘など自律神経の過剰反応を特徴とする。反復する障害で、30歳以上の感情的な未婚、未産婦によくみられる。原因はホルモン分泌異常説、自律神経失調説、精神因子説、アレルギー説などの諸説がある。全身的にも局所的にも特別な所見はない。月経開始後に排尿量が増えると体重は減少する。排卵性月経と発症との関連が推測されている。また心理検査では、無関心、情緒不安定、性格の未熟が指摘されている。多様な症状に対して各種の併用療法が効果的である。利尿剤を用いる脱水療法、精神安定剤療法、排卵を抑制するホルモン療法などが行われる。[新井正夫]【日本大百科全書(ニッポニカ)より】
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●現代病
都市化、産業化が進むとともに目だってくる疾病のこと。医学上の用語としてよりは、ジャーナリズムによってつくられた用語。具体的には、公害病、生活習慣病(成人病)、職業病などで、呼吸器疾患、高血圧、心臓病、動脈硬化、消火器疾患、不眠症、癌、筋肉疾患などに及んでいる。これらの背景としては次のような点があげられる。①技術革新による労働の変化で重筋肉労働は減ったが、人間の精神や生体のリズムに反するよおうな労働が増えてきたこと、②都市を中心にした自然の破壊をはじめとする環境の悪化、③生活習慣、食習慣などの急激な変化、④炉王度🈮、生活の両面にわたって心理的緊張を高めるような事態が増えてきたこと、である。ただ、これらの背景のさらに根底には、行き詰まりつつある資本主義の問題性があることを強調する見方もある。このほかに、特に情緒障害、神経疾患や「管理病」「ポックリ病(青壮年急死症候群)「花粉症」「科学物質過敏症」、児童の肥満などのように、現代の状況を浮き立たせるような病気に特定してい視させるような使い方もある。いずれにしても、一方で高齢化社会の到来がいわれながら現代病の蔓延をみている現代社会をどうイメージするかといった課題や、現代のさまざまな社会病理現象を現代病との関連の究明という課題が残されている。[真田是](略)【日本大百科全書(ニッポニカ)より】
●高次
●行動療法
behavior therapy 心理療法の一つ。1960年に出版されたH.j.アイゼンク編『行動療法と神経症』によって行動療法の名称が広まった。精神分析のように、神経症の原因に無意識を想定し、そこに潜むコンプレックスの解除によって治療が成り立つという考え方とはまったく異た療法である。行動療法は行動理論と学習理論に立脚してなされるが、治療の目標は、まず行動の変容である。意識や無意識に働きかけるのではなく、異常行動そのものを治療の対象とする。たとえば、乗り物恐怖症の治療の場合、無意識的な死の願望というようなコンプレックスを想定し、患者にそれを理解させるといったような手続ではなく、乗り物に乗れないという行動そのものを問題とし、実際乗れるように指導していくという手続がとられる。ただし、このような行動そのものの実現のために、イメージなどの意識過程を操作するという手続を利用することもある。行動療法では、異常行動は素質ではなく、後天的に学習されたものであると考える。したがって、学習の原理によって、適切に学習し直すのが治療である。主と死て条件づけの考え方にたって、さまざまな治療法が工夫されている。その代表的なものが系統的脱感作法で、主として恐怖や不安を解消するために工夫された方法である。たとえば急行電車に乗れないという恐怖症に対して、まず電車に乗ることにかかわる事項についての恐ろしさの程度を調べ、それを恐ろしさの順に並べる。一方で、患者に筋肉弛緩を主とした弛緩法を訓練して、弛緩している状態にさせ、そこで一番不安のない刺激をイメージしてもらう。そして、その刺激をイメージしても十分弛緩していられる状態になったら、順序に従って次の刺激に移り、同じ手続を繰り返し、電車に乗る場面まで移行していき、そのイメージを描いても十分弛緩していられるようにしていく方法である。それとは逆の技法がフラッディング法で、患者を最初からもっとも恐ろしい、あるいは好ましくない刺激にさらして、逃避できない状態におき、これを繰返す。条件性制止療法は、チック症などに適用される療法で、一定時間積極的に目をパチパチさせ、その後、一定時間休憩させる。このセットを繰り返し訓練する。嫌悪療法は、不適切な行動が生じたとに、不快な刺激を与える方法であり、不快な刺激と死て電気ショックや化学的物質を投与することもある。オペラント条件づけ法は、嫌悪療法とは逆に、このかしい行動を促進する方法で、原理的には、好ましい交度王が生じたならば、ほめたり、ほしいものを与えたり、したいことをさせたりする療法である。以上がよく知られた方法であるが、そのほかに、自分で自分の行動をコントロールするセエルフコントロール法や、行動だけでなくイメージを用いる認知的行動療法という意識も取り入れた療法が開発れている[春木豊](略)【日本大百科全書(ニッポニカ)より】
●更年期障害
更年期に発生する各種の障害。卵巣機能の減退、脳下垂体・副腎などの機能障害、自律神経系統の失調などによる。症状は、のぼせ、熱感、発汗、動悸、耳鳴り、腰痛、肩こり、めまい、頭痛、不眠、記憶力減退、神経痛、疲労感など多種多様で、幾つかの症状が重複することが特徴。老化による生理機能の変調が原因であるが、老化に対するノイローゼが症状を悪化させる。治療は自律神経機能の失調回復を主として、ホルモン療法、自律神経薬、向精神薬、心理療法などのほか、眼鏡不適合による障害もある場合もあるので、眼科の検診を受けることも必要。【百科事典マイペディアより】
●広汎性発達障害(PDD)
[子どもの病気](Pervasive Developemental Disorder)社会的相互作用やコミュニケーションの分野の発達に障害がある人の一群を広汎性発達障害と呼びます。精神遅滞が発達の全般的な遅れであるのに対し、広汎性発達障害の人は、領域によって能力の差が大きく、社会的相互作用やコミュニケーションの分野で障害が大きい反面、特定の分野では正常発達児以上の能力を示すこともあります(1988年公開のアメリカ映画「レインマン」のような例)。広汎性発達障害の幅広さを示すことばとして、自閉症スペクトラム障害という呼びかたが用いられることがあります。この障害のいくつかの種類に分類されますが、そのなかでも典型的で重症な自閉症と、個性的な症状を持つアスペルガー障害についてが有名です。【家庭医学大事典より】
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交流分析
自己分析の方法の一つ。一人の人間の中に、親の自我・大人の自我・子供の自我の3つの自我(人格)が存在し、行動や思考の際に一つ一つの人格が出現すると考え、この3つの自我の質と量を分析する(構造分析)。次に、3つの自我のかかわり合い(交流)を分析する。自分を知ることにより、ストレスに対応し、自分をコントロールするという考えが根底にある。【ブリタニカ国際大百科事典より】
●五月病
新しい環境に適応せず、焦り、ストレスを感じ、気持ちが落ち込むうつ状態。医学用語ではなく通称。もとは大学新入生が5月の連休明け頃から急激に無気力、無関心になることから名づけられたが、時期は5月にかぎらず、また中学・高校生や新入社員にももられる。おもな原因として、受験など極度の緊張からの解放、新しいがっ箇王・職場の実態に対する失望、新たな目標の喪失などがあげられる。通常は一過性だが、うつ病や自立神経失調症に陥ったり、消化器系の症状(下痢、吐き気など)がみられる場合がある。(燃え尽き症候群)【ブリタニカ国際大百科事典より】
●呼吸法
●個人情報保護方針(プライバシーポリシー)
企業などが収集した個人情報の取り扱いについての指針。収集の目的、管理方法、用途、免責事項などをまとめて明記したものを指し、一般に、インターネットのウェブサイトなどで企業や運営主体の連絡先とともに公開される。プライバシーステートメント【デジタル大辞泉より】
●「プライバシーポリシー【現代カタカナ語辞典より】」へ→
●個人心理学
個体心理学ともいう。一般的には、個体差を体系的に研究する心理学のこと。この意味では、差異心理学にほぼ同じ。ただし後者は個体差、性差、民族差など種々の形の差異を広く取上げる。また社会、集団を扱う社会心理学、集団心理学に対比させて、個人を対象とする心理学をいう。さらにより特殊には、A.アドラーにより唱えられた心理学をいう。彼は個人の独自的な全体性を強調し、優越への欲求を人間を動かす最大の動機とみなした。【ブリタニカ国際大百科事典より】
●個人の尊厳
すべての価値の根源を個人にあるとみる個人主義思想の本質的内容をなすもので,個人が生れながらにして平等で,国家権力をもってしても侵すことのできない固有の権利と価値を有しているという認識。【ブリタニカ国際大百科事典より】
●固定観念
絶えず意識を支配し、それによって主として行動が決定されるような観念。強迫観念とは違って病的な感じはない。固着観念。過価観念。【広辞苑より】
●孤独
①仲間や身寄りがなく、ひとりぼっちであること。思うことを語ったり、心を通じ合わせたりする人が火と理もなく寂しいこと。またそのさま。②みなしごと、年老いて子のない独り者。【デジタル大辞泉より】
●言霊(ことだま)
言語に宿ると信じられた霊妙な力。言語に霊的な力があると信ずる傾向は、未開の民族に普遍のことであるが、古代日本人は「かみこと(神言・神語)」(日本書紀、万葉集)の霊力を信ずるだけでなく、人間のことばにも善いことばは吉事を招き、不吉なことばは凶事をもたらす力があり、「こと(言)」は「こと(事)」であると考え、「敷島の大和の国は言霊の幸はふ国」(万葉集)と信じていた。この言霊や呪詞を海、忌みことば(アシ〈葦〉は、演技が悪いとしてヨシと呼び換える類)の風習を生んだほか、学問上にも江戸時代の賀茂真淵の五十音図神聖視や本居宣長の係り結びの法則への賛美や、一つ一つの音節がすべてそれぞれ意味をもっているとする音義説を導いた。音義説に基づく江戸後期の国語研究家たちを言霊学派といっている。[林巨樹]【日本大百科全書(ニッポニカ)より】
●コミュニケーション
communication 言語、身ぶり、画像などの物質的記号を媒体手段とした精神的交流のこと。語源はラテン語で「分かち合う」を意味するcommunicare。歴史的には物質的記号は初期の身ぶり、叫びなどの直接的で無反省な状態から、明確な言語などの普遍的かつ間接的な状態へと発達した。こにゅニケーションの過程は、精神的内容を物質的に表現する送り出しの段階、受け手によって受容される段階の2段階から成る。また、その内容は分析的に知的理解のためのものと、情緒的な伝播を目指すものとに分けられる。人間社会を成立させる基礎的な条件であり、特に今日ではマス・コミュニケーションが高度に発達して大きな影響力をもっている。【ブリタニカ国際大百科事典より】
●コンプレックス
complex 精神分析で使われている概念。無意識のなかに抑圧され、凝固し、そのために意識された精神生活に影響を与え、ときに強い観同を誘発する観念の複合体をいう。さまざまな解釈があり、性的抑圧を重視する古典派のほかに、優越感や劣等感を重視する学派などがある。エディプス・コンプレックスやエレクトラ・コンプレックスは性心理の発達にかかわるひずみであるから、単に両親との関係にとどまらず、多くの場合、対人関係の障害を伴う。コンプレックスは日常生活のなかにも現れるが、また神経症の症状を形成する。【ブリタニカ国際大百科事典より】