心のお薬になる本(48)『「新型うつ病」のデタラメ』中嶋聡/著
この(48)「心のお薬になる本」のブログは、カウンセリング歴30余年の大阪の「5時間で1回きり」の「潜在意識の本質と使命とトラウマ」を探る心理カウンセラー&本質セラピスト三宅麗子の投稿頁です。
★心のお薬になる本(48)
◆『「新型うつ病」のデタラメ』中嶋聡著
私が、なぜ、今の世の中にこれほど精神を患う人が、増えてしまったのだろうか? とかねがね疑問に思っていたところで、巡り合った貴重な本なのです。
まず、始めにお伝えしたいのですが、この本は、ただただ、病人を減らしたいと真摯に願う、精神科医の書かれた本です。
この著者中嶋聡は、至極全うで、真に患者のことを思って治療される良心的な精神科医だと感じます。
だから、この本は、ただただ病気を治したい、健康になりたいと願う多くの方々に、是非、お読み頂きたい、素晴らしい本です。
それ以外の方々には、この本は、マイナスの本と烙印を押されるでしょう。それも、この日本には、言論の自由で、避けられないコトなのです。
要するに、自分の直観を働かすしか、わからないのですね。
要するに、自分の感性を磨くしか、わからないのですね。
でも、精神科医で、これほど精神科全般、いえ、日本全般の今の現状を憂えておられる人も、珍しいのではないでしょうか?
しかし、アマゾンの評価は余り芳しくはありません。
これは一体なぜ?
それはこの本が、真実のコトが書かれているからで、それを書かれると、同業者は利益を蒙ったり、病気を望む人々は、ダメ人間と見なされるからで、ただただ反論するしか、なすスベがないのでしょうね。
ご自分の精神医療界のコトも、患者のコトも、強いては、それにまつわる行政や制度や仕組みのコトにまで、真摯に言及し、総括したコトは、やっぱり、賞賛に値する行為だと感じます。
これを読まれたら、患者さんはきっと減るでしょうし…。
それを承知で書かれる勇気に、なにはともあれ、乾杯!
精神科医でありながら、その業界にメスを入れる行為は、得てして、ご自分の首に刃を突きつけるようなもので、この本を読まれた、「病気になりたい症状群」の方々は、決して、中嶋先生の元には訪れないだろうと思います。
それにも関らずにこの本を書かねばならなかったという心情は、察して余りある、勇気のいるコトだった…。
しかし、この本を読まれた方が、「根性論」といって、ただ批判するだけでは、今の由々しき日本の精神医学界を変えることは出来ません。
彼らは、今の現状を「良し」としているのでしょうか?
「根性論」でしか、反論できないところに、何か無理があるのでしょう。
「根性論」は、別に強いて「根性論」なんて、言うからおかしくなるのです。
それは、あたかも「愛国」「愛国」と言って、まるで、国を愛することが「悪」でもあるかのように、論ずる論理と、何ら変わりはないのと、一緒でしょう。
そもそもなぜ、「根性論」は、目の敵にされるのでしょうか?
それは、本当の意味で、「根性」は人間には一番大事なモノだから、なのです。
なぜならば、一般の知識では、植物は、芽が出てからその植物が成長すると、一般の知識では認識さ入れていますが、本当はそうではなく、芽よりも先に「根」がでないと、植物はダメなのです。
だから、根が生まれてから芽が出るのですね。「芽生」ではなく「根生」。
植物は「根生」。
だから、人間には「根性」が必要なのです。
それが出来て、始めて、人間の「目」が出来るのでしょうね。
それが、「心眼」となるのでしょう。
だから、今の風潮では、「根性」を厭うので、「根なし草」のように、地に足がつかず、あっちの意見にフラフラ、こっちの学説にフラフラ踊らされて、確固とした「信念」もないのです。
だから、今の「根性無し」の現実社会が出来上がったのですね。
「根性論」は「悪」だと刷り込まれてしまった所以です。
薄っぺらな「根性論」なんで、この中嶋先生は、この本では振りかざしてなぞ、おられないのです。
それを、「根性論」にしか、すり替えられない「反論」に無理があるのでしょう。
と言うよりも、それだけ、この本は事実を書いておられるのですね。きっと、批判する人々は、この本がでると困る方々なのでしょう。
この本に書かれている主旨は、ただ一つ。
中嶋先生は、ただただ、この日本から精神病や精神疾患や精神障害という方々を無くしたいとの強い意志のもとに、書かれた本であろうと思います。
だから、それゆえ、この本は、評価が二分されるのです。
しかし、私は、この本は、「ひょっとして自分は病気では?」と悶々と悩み苦しまれている多くの方々に、是非、お読み頂きたい、良質の書物です。
これを読まれると、精神科医の門をたたく人も少なくなると思っております。
そういう意味では、この本は、精神科医の「敵」になる本でもあるでしょうし、中嶋先生は、精神科医を敵に回しても、患者を守る、いえ、病人を作らない、そういう数少ない良心的な立場に立たれる方なのかもしれません。
だからこそ、お勧めしたいのですね。
●中嶋聡
1955年(昭和30年)京都府生まれ。80年、東京大学医学部卒業。精神科医。医学博士。96年、那覇市に「なかまクリニック」を開業、現在に至る。著書に『「心の傷」は言ったもん勝ち』『眠れる夜の精神科』「精神科医療制度面接』「精神療法と薬物療法のほどよいブレンド』など。(著書より)