心のお薬になる本(45)『日本昔話と古代医術』槇佐知子/著
この(45)「心のお薬になる本」のブログは、カウンセリング歴30余年の大阪の「5時間で1回きり」の「潜在意識の本質と使命とトラウマ」を探る心理カウンセラー&本質セラピスト三宅麗子の投稿頁です。
★心のお薬になる本(45)
◆『日本昔話と古代医術』槇佐知子/著
最近読んだ本でも、槇佐知子氏の『日本昔話と古代医術』では、
「片仮名は縦横の線、角、点、跳ねなどを一点一角ゆるがせにせずに書くので、漢字に移行するにも抵抗がない。
私は隋唐以前の医書を訳して、呼吸法が健康法の原点にあることを知ったが、この片仮名や漢字を書くことが呼吸法にかなっていることに驚かされた。
終戦後、平仮名を先に学ぶようになったが、その理由はなんだったのだろう。
最近は子どもや大学生まで「変体少女文字」といわれる「まる字(三宅注、まる文字のこと)」を書いたり、左手で書いたりするのも、平仮名から先に習うからではないだろうか。
こんなことをいう私は、もはや化石人間なのかもしれない。NHKでさえ、かみと鉛筆を廃止し、ワープロとコンピューターで番組を制作する時代なのだから。」と…。
この本で、槇氏は、カタカナの重要性を、健康法の原点である呼吸法に叶っていると力説され、
それがひらがなにとって代わってから、
若者がおかしくなったのではと問題提起されている。
ほんに、なぜ、カタカナからひらがなに先に習うように、教育現場が移行させたのであろうか?
それを問う前に、カタカナは外来語を書くためだけのモノと言われながら、
そもそも、なぜ、昔はカタカナのほうが重んじられていたのかを、
もっと専門学者は、研究する必要があるのでは?
また、槇佐知子氏は「女の先生は、左手で教科書、右手に50センチの竹の物差しを持って机間巡視する。
『教科書は両手でかるく持って、眼から30センチ離す。背はまっすぐ伸ばして』小声で注意し、それでも背をまるめている子があると、服の襟から物差しをさしこむ。
背骨に添って腰まで物差しを入れられると、からだを曲げるわけにはいかない。句読点を正しく息つぎし、正確に発音する。」と…。
カタカナを書かせ、背筋を伸ばさせ、呼吸を整えさせてることが、教育の主たる目的で、
それはとりもなおさず、強い精神力を養う術(スベ)だったのだと、
私は、いたく確信した次第です。
また、槇佐知子氏は、著書で書いておられます。
「よく『医食同源』といわれれるが、古代には医宗同源であった。
医術の対象も蒸気だけでなく、現代仁が社寺に祈願する悩みごとすべてに及んでいたのである。
その証拠に「医」の旧字は「醫」だが、古くは「毉」と書いていた。
酉は酒がめの象形文字であり、醫は楽酒で傷病を治すことを表し、毉は神託や呪術による治療を表す。
病気は季節に逆らう邪風やすきま風によるもの、生霊死霊によるもの、人の身中に住んでいて司令星に告げ口しにゆく三尸(さんし、三虫)によるもの。
呪詛により取り憑いたもの、禁忌を犯した罪によるもの…等に大別されていた。秒名も薬名も現代のものと同じでも一致しない。」と…。
もともと、日本は精神を重んじる、気(精神)の文化だから、
古代は「医食同源」ではなく、「医宗同源」と言われていたというのも、
他人の気持ちを気遣う文化が日本文化の神髄だからこそ、
さもありなんと、頷くことしきり。
だから、「医」の旧字が「醫」よりも、古くは「毉」だったという説にも、
説得力がありますね。
精神の国だからこそ、「医」は「毉」であり、
だから、昔の人は、病気とは、まさしく、肉体を病む前に、「精神を病む」ことだと、
知っていたのでしょう。
今の医療は、病「体」をなくすことにばかり力をいれて、
病「気」をなくすことには、からっきしダメだというのも、
当たり前なのです。
病気とは、即ち、気が病むこと。
気とは、精神で、精神が病むことを、病気というのですね。
だから、昔の人は、まず最初に、人に会うと「お元気ですか?」と、
他人を気遣うのですね。
他人への、元気の「気」を気遣う「心使い」が、「心配」するという行為。
決して、自分の心配ではないのですね。
本当に、日本語ってすばらしいですね。
そのもとになった、「カタカナ」って、日本人の大和言葉であり、
これが、いわゆる、「言霊」というのもあながちウソではないでしょうね。
さらに、槇佐知子氏は、「どんな薬も医師を信じなければ効かない」と、医師と患者の信頼関係の大切さを、巻一の第一章に抄録した選者康頼の卓見に私はます感動した。」と…。
これは今の医療に一番欠けている意識でしょうか?
医師だけでなく治るわけではなく、患者の側の意識の持ち方、
即ち、医師と患者の信頼関係が重要であるとも書かれています。
それは、とりもなおさず、カウンセリングの場面でもいえることでしょう。
相談者さまの直る、直すという、強い意志と、
カウンセラーを信頼してくださる気持ちが、
このカウンセリングの1回での成功を可能にするのです。
そして、ドンドン、元気になられ、
健康を取り戻し、未来に向かって、
歩き始めておられるのです。