心のお薬になる本(28)『生命には意味がある』長沼毅/著
この(28)「心のお薬になる本」のブログは、カウンセリング歴30余年の大阪の「5時間で1回きり」の「潜在意識の本質と使命とトラウマ」を探る心理カウンセラー&本質セラピスト三宅麗子の投稿頁です。
★心のお薬になる本(28)
◆『生命には意味がある』長沼毅/著
著者長沼毅氏は、生物学者(理学博士)で、広島大学准教授ですが、地球の辺境を飛び回りながら、過酷な環境で生存する生物の探索調査を行っておられます。
そんな彼だからこそ、生命のコトが書けるのでしょう。
生物学者の書いたエッセイ風の本ですが、生物学者が書いた「生命」の本だから、とても「意味」があるんですね。
著者長沼毅氏は、3.11の地震・津波で、心が動き、書かずにはおられなかったという、まず、人間の感性ありきで、とても共感を覚えます。要するに、著者は、世の中の「学者バカ」では決してないのです。
人間の日々の営みや出来事に、心を動かすということが、人に感動を与える仕事を成すのではないでしょうか。
それは奇をてらったり、大げさなことを言ったり、したりすることではなく、日常に対するその人の「心」がいかに感じるか、動くかの一つ一つの積み重ねが、その人の人間性を養い、波動を高め、さらに感性を磨くというコトなのではないでしょうか。
生物学者だからそこ、多くの方々が、一瞬のうちに貴い「命」を落とされたという事実に、真摯に目を向け、その「命」を扱い、生業にしているからこそ、自分が書かねば、という気になられたのでしょうね。
こういう経験をするたびに、学者の感性が磨かれ、研ぎ澄まされ、さらに、学者の目を養っていかれるのでしょう。研究室や机上の空論ではなく、人間としての目線で、研究がアップするのでしょう。
何か、「生命とは何か」を説き明かしています。登場するキャラクターたちが10代なので、タイトルもそこから来ているようです。
悩みをもつ思春期の若者たちに思いを馳せて、生物学者として何かのメッセージを残したいという熱い思いが感じられます。
が、若者向けの本かと思いきや、どうしてどうして、大人でも読み応えのある、考えさせられる一冊です。決してバカにするコトなかれ、さすが、生物学者の書いた本は一味違うのです。
このルームに来られる相談者様は、多かれ少なかれ、「生きる」というコトに自信がないか、或いは迷っておられる方が多いと思います。
そういう方々に是非、著者長沼の本をお読みいただきたいと思います。
宗教者や心理学者の目線ではなく、これらの本のように、熱く語れられていながら、冷静な眼差しから、「生きる」とは、「死」とは、「命」とは何か、とお悩みのあなたに、きっと、ヒントを与えてくれるでしょう。
●『生命には意味がある』長沼毅著
「南極や深海や宇宙などの極限環境に生きる生命の神秘から、人間の寿命はどこまで伸ばせるか、不老不死の生命はありえるのかという問題、地球環境と人間文明の未来を見据え、平和な人間(ホモ・パックス)への進化を夢見る。科学の視線から、人間存在への根本を問い直して、生きる意味を探る、科学者の思考の冒険。」アマゾンより
●『14歳の生命論~生きることが好きになる生物学のはなし』長沼毅著
「生きるって、どういこうとでしょう。我々にとって最も根本的なこの問いに答えるのはなかなか難しいことです。もし14歳前後の中高生にこの問いを投げかけられたら……。この難問に挑み答えてくれるのは、生命と生活と人生の科学者(ライフサイエンティスト)長沼毅さん。」アマゾンより