心のお薬になる本(37)『ゆうきくんの海』山元加津子/著
この(37)「心のお薬になる本」のブログは、カウンセリング歴30余年の大阪の「5時間で1回きり」の「潜在意識の本質と使命とトラウマ」を探る心理カウンセラー&本質セラピスト三宅麗子の投稿頁です。
★心のお薬になる本(37)
◆『ゆうきくんの海』山元加津子/著
今回ご紹介する本の著者山元加津子氏は、養護学校の先生であり作家でもあります。
その類まれなる繊細な感性で子供たちに対する理解を訴えておられます。
以前の心のお薬になる本(33)で取り上げさせて頂いた『本当のことだから』『宇宙の約束』の山元加津子氏です。
今回の本は、著者のお人柄が一番にじみ出ている素晴らしい本です。これ以上、障害を持つお子さんを温かい目で見据えている人も珍しいのではないでしょうか?
多くの先生方は、何か使命感とか悲想感とかが感じられるものですが、この著者にはそれが一切感じられません。とにかく子どもが愛おしい、大好き、可愛いという気持ちで、全編が溢れております。
読んでいて涙なくては読めません。哀しみの涙ではなく感動の涙にむせぶって、最近トントないですので、この本を始めて読んだ遠い日を思い出しては、その時の思いに浸っています。
是非、まだお読みでない、悩める多くの方々に、この感動を味わって頂きたく、ここにご紹介させて頂くこととなりました。
また、この本は、悩める人ばかりでなく、心の悩みのお仕事をしている全ての方々、精神科医や心療内科の先生方、或いは、カウンセラー、セラピスト、スピリチュアル系の方々、さらには、人生相談や占い師の方々にまでお読みいただきたい一冊です。
画一的な教科書よりも、参考になると存じます。要するに、相談する側の感性や心を鍛えるという点では、ピカイチの教科書でしょう。
この本では、著者と子どもたちが素晴らしいのは当然ですが、子どもたちの家族、お母さんやお父さんの描写にも神経が行き届き、とても愛情深く描かれていて、本当に頭が下がりました。著者の一言や振る舞いで、周囲の方々が変化していく様子が、まるで、堅い氷が温かい光の熱でじわじわと湯気を立ち昇らせて溶けていくような、感じがとてもたまりませんでした。
ともすれば、効果を急ぐあまりに、きつい、強い言葉を投げかけることもある私などは、本当に反省させられます。
一歩一歩という時間をかけられない私のカウンセリング方法にも、何らかの示唆を与えてくれる貴重な一冊です。
本当にありがとうございました。
●ゆうきくんの海』山元加津子著
内容(「BOOK」データベースより)
涙と笑い、そして涙がいっぱい!みんな理由があって生まれてきたんだから、生きていると嬉しいこと、いっぱいあるよね。養護学校の名物先生“かっこちゃん”の書き下ろし感動エッセイ集。アマゾンより。