心のお薬になる本(52)『意識の進化とDNA』柳澤桂子/著
この(52)「心のお薬になる本」のブログは、カウンセリング歴30余年の大阪の「5時間で1回きり」の「潜在意識の本質と使命とトラウマ」を探る心理カウンセラー&本質セラピスト三宅麗子の投稿頁です。
★心のお薬になる本(52)
◆いのちがわかる生命科学の入門書『意識の進化とDNA』柳澤桂子/著
今日の紹介は、生命科学者の柳澤桂子氏です。
昔、彼女の『いのちとは何か?』を読んだ記憶はあるのですが、その当時、その本は私にはちょっと難しかったことを思い出します。
今回、私は普通の人が理解できるやさしい本を探していたのですが、そこで巡りあったのが、やっぱり柳澤桂子著の『意識の進化とDNA』でした。
この本は、素人の私にもわかりやすく、小説仕立てで書かれていてとってもよく人間の身体の仕組みが分かります。
本の裏表紙にも、「ついに私は『本来の自己』とは、36億年の歴史を背負ったDMAであると考えるに至った」(はじめに) 分子レベルで研究が進む生命科学の中で”私”とは誰なのか? 愛や感動、神とは何なのか? DNAの仕組みと精神のかかわりを、ある男女の出会いと語らいを通して、いきいきと解き明かす。長く闘病生活を続ける女性科学者が見つめた、「いのち」がわかる一冊。
と書かれている通り、とってもわかりやすい本でした。
この文章を読んだ瞬間、私がなぜカウンセリングに来られた人の「先祖」が気になるのかが、解けたような気がしました。
「先祖」とは、それこそ、その人間の36億年の歴史を背負ったDMAのDMAのとっかかりなのでしょう。
やっと、腑に落ちたのでした…。
そして、そんなすごくコトを書けるこの著者は?、と著者に興味が沸いたのです。
著者は、長い間、難病に苦しまれている科学者でした…。
ともすれば、偉い方々は、自分の知識を誇示するためか、難しく難しくする傾向になる中、柳澤氏は「やさしい」を強く意識されて書かれたと、強く感じます。
きっと、彼女が病気にならなかったならば、書かれなかった本ではないかと想像します。
いえ、病気の彼女だから、弱い者の目線に合わせて、という意識が働かれたのでしょう。
そういう点では、私はとっても共感を覚えたのです。柳澤桂子氏という人物に…。
その人に、興味を湧いたり、惹かれたりする、一番の理由は、同じ目線の人かどうかが、とっても重要だと、私は思っています。
才能もあり成功も成し遂げ人生を謳歌している、上から目線の人には、私はあまり興味がありません。
というよりも、たとえそういう優秀な人であっても、人生の挫折を経験したり、どん底に落ちたことのある人は、やっぱり、弱い人間に対する「愛」が感じられます。
弱い人に対する上からの下への愛というよりも、その人自身が弱い人間という自覚があるので、上から目線で人に教えるとか導くという「不遜さ」がなくなるのでしょうね。
光は、闇があるからこそ、光輝くのでしょう。闇が深ければ深いほど、光もそれに比例して、人を魅了するほどの煌々した光を放つことができるのでしょうね。
劣等感の強い人や落ちこぼれといわれた人や恵まれない環境で生まれた人にこそ、私は共感を覚えます。なぜなら自分自身が、そういう人間だったから…。
テレビ番組のカンボリア宮殿に出る成功者といわれる経営者の殆どは、そういう人が多いのですね。
私のカウンセリングを受けられる人も、きっとそういう人に違いないと信じて、やらせて頂いております。
この本の著者は、難病で大きな挫折を強いられた人です。だからこそ、そういう著者の慈愛の光が感じられる素晴らしい本です。
クラシック音楽などには、トンと縁のない私でも、素直に入っていける本なのです。
この本で、最初に私が感動した箇所を要約すると、「宇宙には一千億個もの銀河がありながら、それでも宇宙はほとんどからっぽで、それぞれの銀河は一千億個ほどの星を持っていて、それぞれの星が一千億個ほどの惑星をもっていて、宇宙全体の星の数は百億の一兆倍。
もしも、人間が宇宙の中に放り込まれて、一つの星に落ちる確率は、一兆の一兆倍のそのまた十億倍分の一より小さい。
そして、その落ちた星が地球という確率は、またその百億の一兆倍分の一くらい小さい。この地球に生れるということは奇跡のようなもの。」と…。
今、私がこの時代に生まれ、この日本で、この大阪で、と手繰っていくと、もう奇跡も奇跡、あり得べからざるコトなのです。
「有り得べからざる」とは、「有り難き」と同じで、それは「有難う」のコトなのです。
今の私の存在自体も、「有難う」なのです。
さらにこの本は、私が興味をそそることが満載です。
DANは、まさに、私が自分の本『あなたは誰?』で話題にしている、「臍の緒」と「魂の緒」が螺旋状に絡んだ二本の糸のような感じがしてなりません。
昔の人は難しくDANなんていう意識がなかったのでしょう。
それが昔昔の人間の遺伝子として連綿と繋がり、今の私たちの存在があるのでしょう。
だから、私がカウンセリングで、よく問題にする「先祖」もあながち、間違ってはいなかったのです。
いえ、反対に益々、この柳澤桂子氏の本『意識と進化とDNA』に夢中になりました。
どうか、皆さんも、この本を手に取れば、きっと、自分の存在が愛しくなりますよ。
そして、今の自分の置かれている位置、生きている環境に、感謝の念が湧くでしょう。
難しい真理などは、ぶっ飛んでしまいそうです。
そもそも、人間が真理、真理と騒ぐほど、愚かなコトはないということなのでしょうね。
私も、大いに反省させられました。
真理が分かっても、自分のことが分からなければ、全部、無駄なコトなんですね。
たとえ、自分のコトが分かったとしても、「幸せ」を感じなければ、それも何の意味もないのですね。
人間の「幸せ」って何なのでしょうね。
それが分かった時、人間は、一段上の意識の階層に昇れるような気がいたします。
そして、それが実現できた時は…。
私は今、小さい小さい存在のままでも、生きていてもいいんだ、ということを実感しています。
宇宙の偉大さを感じれば、感じるほど…。