ことわざカウンセリング(9)「頭剃るより心を剃れ」
この(9)「直ことわざカウンセリング」のブログは、カウンセリング歴30余年の大阪の「5時間で1回きり」の「潜在意識の本質と使命とトラウマ」を探る心理カウンセラー&本質セラピスト三宅麗子の投稿頁です。
★ことわざカウンセリング(9)
◆「頭剃るより心を剃れ」
このことわざは、現代の日本における大きな課題だと思います。
全ての組織や集団、ありとあらゆる仕組み、方針などにこの「形骸化」が当てはまります。
しかし…。
一度、形を覚えて身に付けてしまえば、そこで終わり。
終着点(執着点)となり、後は惰性で生きてしまいがちで、なかなかその形を乗り越えて、心の修得、精神の向上とまでは、いかない、いけないのが現状です。
これは、カウンセリングの世界においても、起るジレンマです。
技法や技術を修得すれば、もうそれで良し、いえ、それから発展させることはまかりならん、というコトで、カウンセラーはまるでオウム返しに、言葉を上滑りさせるだけ。
それが、クライエントの心には一向に響いてこない。
要するに、技法に固守するあまり、クライエントの心がつかめない。
いえ、つかめないのではなく、つかまない、見ようとしない。
カウンセラーの心理は、このクライアントは、こういう症状だから、きっとこの「病気」だわ、いえ、こういう状態だから、或いはこういう「病名」だわと…。
病気を既に、肯定していて、何らかの病気に当てはまる作業に力を入れて、結局、症状を治すよりも、病気を言い当てることに重きを置く…。
そして、クライエントが納得したら、それで、カウンセリングの目的を果たしたように錯覚してしまい、今度は、その病気をしっかりとつかんでしまう…。
そして、この病気は、カウンセリングではすぐにはなおりませんよ、2~3年じっくり、やりましょうね~、なんて…。
カウンセラー自身が、直らないという意識が潜在意識にあるので、結局、医者任せや薬漬けにして、万々歳!
やっぱり、カウンセラー自身にも言える、「頭剃るより心を剃れ」と…。
心を病むのは、病気ばかりではない、概念に縛られるプロほど、恐ろしいものはない、のでしょう。
みなさん、心の病で直らないものはないと肝に命じましょう。
くれぐれも、病気や病名にこだわる医者やカウンセラーには注意しましょう。
●「頭剃るより心を剃れ」
【形ばかり僧侶になっても内に道心がなければなんにもならぬ。形より心が大事。六道講式に「たまたま頭を剃って心を剃らず、衣を染めて心を染めず、恥じ恥ずべし」鴨長命の歌「そりたきは心の中の乱れ髪、つむりの髪はとにもかくにも」衣を染めんより心を染めよ。「故事ことわざ事典」新文学書房。
僧門に入って頭をまるめて僧形になるのはやさしいが、心に道心を持つことはむずかしという意。形式より精神が大切という教え。茶道、華道その他諸芸のことも心が大切である。その心を修得する方法として形より入るのが普通である。形にとらわれてその心を忘れては修得不可能である。】「ことわざ格言集」光文書院。